信州そばの職人は出石のそば職人にその技術を伝え、「出石そば」が誕生しました。
宝永三年(一七〇六年)より続く三〇〇年の歴史
江戸時代中期、宝永三年(一七〇六年)。
信濃上田藩の第3代藩主であった仙石 政明(せんごく まさあきら)は幕府のお国替えにより但馬出石藩の藩主となります。無類のそば好きとだった政明は信濃の信州そば職人を共に出石まで連れていきます。
信州そばの職人は出石のそば職人にその技術を伝え、「出石そば」が誕生しました。
三方を山に囲まれた出石町は、その中心部を出石川が縦断し、豊かな自然と風土があふれる町です。
出石そばはその自然に恵まれた美しい水によって、その味わいをより深く美味しくしています。
出石そばの特徴
出石焼きの手塩皿に3口ほどのそばを盛り、5枚一組で一人前とするのが出石そばの特徴です
(1)手塩皿に盛る独特のスタイル
手塩皿は出石そばのお店なら必ずといって良いほど、その店のオリジナルのものを使用し、お客様の目を楽しませます。
出石そばの特徴として大きいのは、その薬味の独特さ
(2)多彩な薬味
卵、とろろ、ねぎ、わさび等を使います。
鶏卵をまるまる一個ダシにといて食べるのは出石そばならではの珍しい食べ方です。
「挽きたて、打ちたて、茹がきたて」
(3)三たて製法
出石そばは、そばの風味を損なわないよう、お湯を使わずに水のみで延ばします。
これには熟練した技が必要であり、素朴でコシがある風味豊かな味わいを、さらに「三たて製法」でより一層活かしていきます。
出石そばは、そばの実を丸引きし、甘皮と一緒に挽いた挽きぐるみのそば粉を使います。
そばの実の中心だけを挽いた一番粉を使ったそばとは違い、茶褐色で栄養素が高く、香りも豊です。
初めて出石そばを食べられる方へ
まずはだし入れにつゆのみ入れて食べてください。
それから
一つ、ねぎ、わさび
一つ、皿とろろ
一つ、卵
をだし入れに加えてお召上がり頂くと
一皿づつ違った味をお楽しみ頂けます。
「そば」には決まった食べ方はございません。
お客様のお好みでお好きなようにお召し上がりください。